1-1 陸上交通との違い
1 自然環境
- (1)水面に浮いている
- 船舶は、不安定な水面に浮いており、絶えず外力を受けて浮動している。したがって、操縦者が意識的にコースを定め航行する、停止する、投錨する、係留する、といった作業を適切に行わなければ安全が確保できない。
- (2)気象・海象の影響が強い
- 1)進路が変わる水上では、波やうねり、潮流や川の流れなどで絶えず水面が動いている。したがって、水上では外力の影響で簡単に進路が変わる。
- 2)水面の状況が見えない波が高かったり、太陽の水面反射が強かったりすると、水面上に浮いている漁網やブイ、ゴミなどの状況がわからない場合がある。
- 3)自力航行水上で気象や海象が悪化した場合は、こうすれば絶対安全といえる対策はなく、避難できるところまで自力で航行しなければならない。
2 交通環境
- (1)道が無い
- 水上では一部の水域に航路と呼ばれる通行路があるが、基本的に走るところは自分で決めなければならない。
- (2)速力制限が無い
- 水上は原則として速力の制限はない。したがって、どこを航行する場合でも周りに迷惑のかからない安全な速力が求められる。
- (3)信号や標識が少ない
- 水上にも信号や標識はあるが、大型船の航行を想定して設置されているものであり、数が少なく、沿岸付近にしかない。したがって、小型船舶は、自分の向かっている方向や、自分の位置を確認する方法や知識を身につけておくと共に、必要な機器を準備しておくことが必要となる。
- (4)自分の位置が分からない
- 陸上であれば、特に交通の支障にならない程度の環境の変化(少し霧がでた、夜間となって暗くなった等)でも、目標物の少ない水上では、自分の位置がわからなくなってしまうことがある。
3 危険性
- (1) 水面下の危険物
- 水上では、注意して見張りをしていても水面下の暗礁や障害物は見えにくく、また、夜間などは水面の障害物は非常に見にくくなる。したがって、事前の水域調査や情報収集が重要になる。
- (2)孤立している
- 1)通信手段が必要
- 2十分な準備をし、安全を確認しながら航行していても、故障や事故が発生する場合がある。水上では、故障や事故を起こしたことを誰も知らない可能性さえあり、通信手段は必要不可欠である。
- 2)頼れるのは自分だけ水上にある船舶は、陸から孤立している。したがって、非常事態が発生した場合は、基本的に自分自身で全て対処しなければならない。
- 3)救援に時間が必要水上で何か起こったとき、自力で陸地に向かう、救援を求める、いずれも相当の時間が必要となる。
4 水域利用者
- 水上は、陸上のように利用区分が明確になっておらず、様々な人が同じ水域を利用している。
- (1)ボードセーリング、サーフィン、ダイビング
- (2)海水浴、魚釣り、潮干狩り
- (3)クルージングをするモーターボート、水上オートバイやヨット
- (4)漁船による漁業
- (5)定置網や養殖のような水面占有漁業
- (6)商船、旅客船、工事や作業をする船など仕事を目的とした船舶

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