第4課 機関の取扱い
4-1 基礎知識・主要系統の構成・役割
- 1 ボート用エンジンの特徴
- (1)使用頻度が少ない。
- (2)常に塩分を含む湿気にさらされている。
- (3)衝撃や動揺が激しい。
- (4)高負荷での運転を強いられる。
- 2 ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃焼原理
- (1)ガソリンエンジンは、ガソリンを燃料とし、燃料と空気の混合気に電気火花を飛ばして爆発・燃焼させる。
- (2)ディーゼルエンジンは、軽油を燃料とし、高圧縮した空気中に燃料を噴射し圧縮熱で自然着火させて燃焼させる。
- 3 2ストロークエンジンと4ストロークエンジンの比較
- エンジンは、燃料を吸入・圧縮・燃焼(爆発)・排気という4行程を1サイクルとし、これを繰り返している。
- (1)2ストロークエンジン(2ストローク1サイクルエンジン)1)ピストンが1往復するごとに1回の燃焼行程がある。2)構造が単純なため、取扱が簡単である。3)エンジン重量単位出力が大きい。4)燃料消費が多い。5)燃料とエンジンオイルを一緒に燃焼させるため、排気の有害物質含有度が高い。6)エンジン騒音が大きい。
- (2)4ストロークエンジン(4ストローク1サイクルエンジン)1)ピストンが2往復するごとに1回の燃焼行程がある。2)構造が複雑なため、取扱が面倒でメンテナンスに手間が掛かる。3)エンジンの重量単位出力が小さい。4)燃料消費が少ない。5)排気の有害物質含有度が低い。6)エンジン騒音が小さい。
- 4 燃料系統
- 燃料は、以下の経路を通ってシリンダーに送り込まれる。燃料系統の故障は、経路が詰まったり、空気や水が混入した場合におきる。
- (1)ガソリンエンジン
- 燃料タンク⇒燃料コック⇒燃料フィルター⇒燃料ポンプ⇒キャブレター⇒シリンダー
- (2)ディーゼルエンジン
- 燃料タンク⇒燃料コック⇒セジメンター(油水分離器)⇒燃料ポンプ⇒燃料フィルター
- ⇒燃料噴射ポンプ⇒燃料噴射バルブ⇒シリンダー
- 5 電気系統
- 電気系統の故障は断線や接続部不良により正常に電流が流れない場合におきる。
- (1)バッテリー1)バッテリー液量や液の比重が基準を満たしているか2)端子の+、-が間違いなく、確実に取付けられているか
- (2)エンジンの始動系統スタータースイッチ⇒バッテリー⇒スターターモーター
- (3)バッテリーの充電系統
- Vベルト⇒オルタネーター(発電機)⇒整流器⇒バッテリー
- (4)ガソリンエンジンの点火系統
- バッテリー⇒点火コイル⇒ディストリビューター⇒点火プラグ
- 6 潤滑系統
- 潤滑系統は、エンジン本体の潤滑系統とギヤ(クラッチ)の潤滑があるが、ギヤオイルはギヤの潤滑のみで循環しない。また、2ストロークエンジンのエンジンオイルは、燃料と共に燃焼させるため常に補給する必要がある。
- オイルパン(オイルタンク)⇒オイルポンプ⇒オイルフィルター⇒オイルクーラー⇒エンジン内部潤滑⇒オイルパン
- 7 冷却系統
- エンジンの冷却方法は、直接冷却式と間接冷却式がある。いずれの方式にしても外部の水を取り込んで冷却する。
- (1)直接冷却式
- 冷却水取入口⇒海水フィルター⇒海水ポンプ⇒オイルクーラー⇒サーモスタット⇒サーキュレーションポンプ⇒エンジン内冷却水通路⇒サーモスタット⇒排気と共に船外へ
- (2)間接冷却式
- 海水:冷却水取入口⇒海水フィルター⇒海水ポンプ⇒オイルクーラー⇒ヒートエクスチェンジャー(熱交換器)⇒排気と共に船外へ
- 清水:冷却清水タンク⇒ヒートエクスチェンジャー(熱交換器)⇒サーモスタット⇒サー
- キュレーションポンプ⇒エンジン内冷却水通路⇒サーモスタット⇒冷却清水タンク
- 8 動力伝達系統
- (1)船内外機方式
- エンジン⇒ユニバーサルジョイント⇒クラッチ⇒プロペラ
- (2)船外機方式
- エンジン⇒クラッチ⇒プロペラ

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