1-2 出入港・係留・錨泊
- 1 出入港準備・注意
- (1) 出入港は、原則として夜間は避ける。
- (2) 潮流などの外力の影響が少ない時を選ぶ。
- (3) 係留や停泊に必要な連絡をする。
- 2 着岸操船要領の基本
- (1) 着岸態勢に入る前に係船ロープやフェンダーあるいはボートフックなど着岸準備をする。
- (2) 外力の影響の有無や程度を観察し、着岸する舷を決める。
- (3) 着岸地点に対し、低速で接近する。
- (4) 進入角度は、30度程度が基本となるが、周囲の状況や外力の影響、操縦特性を勘案して調整する。
- (5) 着岸時に微速後進を使用し行き足を止める。
- 3 離岸操船要領の基本
- (1) 周りの状況や外力の影響をみて、前進で離岸するか後進で離岸するかを判断する。
- (2) 離岸前には、必ず船体周辺及びプロペラ付近の安全を確認し、桟橋などからできるだけ船体を突き離す。
- (3) 前進離岸時は船尾が、後進離岸時は船首が桟橋などに近づくので、あて舵を取るなどして、岸壁に接触させないよう操舵する。
- (4) ロープやフェンダーなどを収納整理する。
- (5) 1軸右回り船は後進すると船尾が左に振れるので、左舷着岸状態から後進離岸する場合は、前進し船首をいったん桟橋側に振って船尾を離してから行う。
- 4 係留の方法
- (1)係留場所に風や川などの流れがある場合は、風上や上流側から係留する。
- (2)結び方は、係船施設(ビット、クリート、リングなど)にあったものとする。
- (3)係留ロープの長さは、風波や潮の干満の差を考慮する。
- (4)船首ロープ、船尾ロープを取った後、他の係留船舶との位置関係や気象・海象状況など必要に応じて、船尾と船首からスプリングを取るなど係留ロープを増やす。
- (5)桟橋や岸壁とボートが直接に当たらないようにフェンダーを使用し、ロープが擦れるところには布などを巻いておく。
- (6)他の船舶が係留に使用しているビットなどを利用する場合は、他の船舶が係留ロープを解らんするとき迷惑にならないようにする。
- 5 解らんの方法
- (1)風や川などの流れがある場合は、風下や下流側から解らんする。
- (2)解らん後、船体を桟橋や岸壁から突き放す。
- (3)解らんしたロープは速やかに取り込み、プロペラへの巻込みや操縦の邪魔にならないようにする。
- (4)安全な場所まで移動した後、フェンダーやロープを格納する。
- 6 錨地の選定
- (1)船舶の航行の妨げとならないこと。
- (2)風や波の影響の少ないこと。
- (3)周囲に浅瀬や障害物がないこと。
- (4)水深は、アンカーロープの長さを考慮して、あまり深い所は避ける。
- (5)底質が錨の効きやすい、泥、砂等であること。(岩、珊瑚等は避けたほうがよい)
- 7 錨泊の方法
- (1)アンカーロープを絡まないようにさばいておくなど錨泊の準備をする。アンカーとアンカーロープの間をチェーンでつなぐとアンカーの効きがよくなる。
- (2)風上や上流に向かって微速で接近し、投錨地点直前で機関を後進に入れ行き足が無くなったところでアンカーを投下する。
- (3)アンカーが着底したら、微速後進しアンカーロープを伸ばす。
- (4)ロープを水深の3倍程度まで繰り出し船首のビット等に軽く止め、クラッチを中立にし、後進惰力でアンカーを効かせる。
- (5)アンカーが効いていることを確認して、ロープを確実に結び止める。
- (6)船はアンカーを支点に振れ回るので、ふれ回り円内に他船などの障害物がないことを確認する。
- 8 走錨
- (1)走錨とは、アンカーの効きが悪い場合に風波が強くなって、船が錨を引きずって動くことをいう。走錨している場合は、すぐに錨を引き揚げて打ち直すか、風波が強い場合は、安全なところに移動して錨泊する。または、状況に応じて避難する。
- (2)走錨の判断方法として、周囲の物標と船との位置関係から船位が風下に移動している場合や、振れ回り運動がなく風を一定方向から受けるようになったとき、アンカーロープが張ったまま緩まないときなどの状態で判断する。錨が効いている場合は、アンカーロープがピンと張ったり緩んだりする。

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